過払い金 時効の条件【過払い金請求期限と中断事由】

テレビCMの影響か、過払い金の請求に時効という期限があるということはある程度浸透しているようです。

しかしこれもテレビCMの影響か、時効について勘違いされている方が多い印象です。

過払い金の時効についての正しい情報をまとめました。

過払い金請求の時効

過払い金には時効があるって聞いたんですけど、どうなると時効になるんですか?

 

借金を完済してから10年経つと時効になるよ。

2010年に完済したという人は2020年に時効になるよ。

 


過払い金請求の時効は取引が終了(完済)してから10年です

完済してから10年で時効になりますので、現在も支払いを続けている方が時効になるのは後に完済してから10年後です。

 

※仮に2021年に完済した場合に時効が成立するのは2031年ということになります。

その他時効以外で過払い金が戻ってこない理由

過払い金が戻ってこない原因には時効以外にも、

・貸金業者の倒産

 

があります。

倒産すれば基本的に破産手続きの中で過払い金が返金されますが、お金がなくなって倒産するわけですから基本的には過払い金はほぼかえってきません。

大手の貸金業者でも倒産することがありますので、過払い金はなるべく早めに請求したほうがいいでしょう。

 

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途中完済している場合の過払い金の時効

完済から10年であればまだまだ大丈夫そうです。

 

取引途中で一度完済したことがある人は、途中完済から10年でその時点までの過払い金が時効になることもあるから、あんまり安心はできないよ。

 

何度か完済しているけど、いつだったか覚えていないです・・・

 

まぁ取引途中での完済時期なんて覚えている人のほうが少ないね。

時効で過払い金を取り戻せなくなっている人は本当に多いから、心配なら早めに専門家に相談すべきだね。

 


一度完済してから、後でまた同じ業者から借りた場合に争いになるのが取引の分断と一連計算の問題です。

取引が分断している場合、途中完済したところから10年経っていると途中完済時点で発生している過払い金が時効になります

・取引の分断=一度完済したところまでの過バライ金と、再度借り入れを開始したところからの過払い金を別々の取引として計算する。
・一連計算=途中完済は関係なく最初から最後まで分けることなく、連続して計算をする。

 

※取引が分断しているものとして過払い金を計算すると、一連計算する場合に比べ過払い金は少なくなります。

仮に2005年に完済し、再度2009年から借り始めたという場合に取引が分断していると、2005年までの取引で発生した過払い金は時効、2009年からの取引は利息制限法の範囲内の取引であり過払い金は発生しませんので、過払い金は全く戻ってこないことになります。
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一連計算の場合に時効が成立するのは最後に完済をしたところから10年ですので、途中完済から何年経っていても関係なく取引の最初からの過払い金を請求できます

取引の分断の条件

完済後、再度借り入れをしている場合にすべて分断となる訳ではありません。最終的には裁判所が判断することになります。

業者側からは基本的に、完済から再度借り入れまでの間が1年空いていると分断を主張してくることが多いです。

 

そのような場合は裁判で争っていくことになりますが、その場合も契約内容や取引形態によって判断は分かれます。

主に基本契約が1つか複数かが重要になります。

基本契約が1つの場合

完済後、再度借り入れを始める際に新しく契約書を交わさないで、そのままのカードで再度借り入れをしたというような場合は基本契約は1つです。

基本契約が1つの場合は取引の分断とは認められる可能性は低くなりますが、完済してから再度の借り入れまでの空白期間が1年以上空いている場合には、それだけをもって分断だという判断がされる場合があります。

基本契約が複数の場合

完済後に次の借入時に再度、貸金業者と契約書を交わしている場合には別の契約となり基本契約が2つ以上(複数)となります。

・最初の取引を完済するまでの取引期間の長さ
・再度の借り入れまでの期間の長さ(空白期間の長短)
・完済した際に契約書を返還していたか
・カードが使用できなくなっていたか
・再度の借り入れまでの間に業者と接触していたか
・再度の契約の内容(前回の契約との相違点、利息が異なっている等)

 

上記を元に判断されることになります。

時効になった過払い金と借金の相殺

分断になり、後の取引では過払いになっていなく残金がある場合は、最初の取引で発生した過払い金と後の取引の借金を相殺することになります。

例=先の取引で過払い金50万円、後の取引では借金30万円ある場合、

過払い金50万円と借金30万円で相殺されて、20万円の過払い金を請求することになる。

50万(過払い金)-30万(借金)=20万円の過払い金請求

 

ここで問題になるのが最初の取引終了から10年経っている場合に、時効になった過払い金と借金の相殺は可能なのか?ということ。

相殺が可能な条件

取引分断の場合に過払い金と借金の相殺をするには、以下の条件が必要になります。

・相殺が可能な状態であること(相殺適状)
・相殺が可能となった時に、まだ時効にはなっていなかったこと

 

相殺が可能となった時点で過払い金が時効でなければいいので、「相殺する!」と主張した時点では完済から10年以上経っていても問題ありません

相殺が可能な状態とは=今回の場合ですと支払いを滞納した等で期限の利益を喪失したこと。

 

細かいお話しになりますが法律上の相殺の要件として、お互いの債権が弁済期を過ぎていることという条件があります。

支払日に支払いを怠ると期限の利益を失うことになるので、弁済期が到来することになります。

詳しくは以下

相殺の具体例

・2005年に完済
・2010年に再契約して借入れ
・2016年に支払いを滞納

 

という場合、相殺が可能になったのは2016年ですが、過払い金は2015年に時効になっているので相殺はできません。

・2005年に完済
・2010年に再契約して借入れ
・2014年に支払いを滞納
・2020年に相殺を主張

 

という場合には相殺が可能です。

2020年に相殺を主張した際には過払い金は時効になっていますが、相殺が可能になった2014年の時点では時効になっていませんのでこの場合の相殺は可能です。

ちなみに借金にも時効があります。

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過払い金の時効の中断

調べたらもうすぐに時効になりそうです・・・

 

すぐに専門家に相談すべきだね。

 

でも過払い金を回収するには数か月かかるんですよね?

その間に時効になってしまいますよ!

 

専門家は時効間近の場合、時効の進行を止める措置(時効の中断)をするから過払い金請求手続き中に時効期間を迎えても大丈夫だよ。

 


過払い金請求手続きには時間がかかるので、その間に時効期間を迎えてしまう場合があります。

そのような場合には過払い金請求の裁判をすることで時効を止めることができます。これを時効の中断と言います。

催告

時効を中断させるには訴訟を提起することになりますが、訴訟提起をするまでには時間がかかります。

最低限取引履歴の取り寄せが必要になりますが、取引履歴の開示期間は業者ごと違い1週間~2か月ほどかかります。

その間に時効になってしまいそうだ、という場合には催告という方法を使って時効の進行を停止させます。

具体的には業者へ内容証明郵便等で請求をすることで時効は停止します。

 

停止期間は6か月です。その間に和解がまとまればいいのですが、6か月では手続きが終了しないという場合には6か月の停止期間中に訴訟を提起することで時効は中断します。

過払い金の時効まとめ

過払い金の時効は完済してから10年なので、まだ数年しか経っていないという場合には余裕があるかもしれませんが、途中完済をして取引の中断等がある場合は中断時点までの過払い金が時効になってしまう可能性があります。

何年も前のことなので、途中完済したかどうかも覚えていないという人は大勢いらっしゃいます。

また、過払い金請求への貸金業者の対応も年々悪化してきて、回収は難しくなってきています。

当然に取り戻せる過払い金を時効で取り戻せなくなってしまう前に、なるべく早く相談をしてみたほうが良いでしょう。

 

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