- 借金が家族に知られてしまうのはどんな時
- 債務整理をしても家族や会社に秘密にできるか?
- 家族や会社に知られずに債務整理を行う方法
家族に秘密で借金をしている人が債務整理をする際に気になるのが、家族にばれないか?ということです。
返済に困ってはいるけれど、内緒にしていた借金が家族に知られるぐらいなら債務整理はしたくない・・・そのように考える方は非常に多いです。
家族に打ち明け協力を得られればいいのですが・・・そう簡単にはいかないものです。
借金が家族にばれる理由
借金の返済ができずに滞納をしていると督促の電話や書類が届いたりするので、そこでばれてしまうことは多いようです。
そのため、滞納せずに支払っている人はあまり問題になりませんが、カードや明細でバレることもありますし、カード会社の利用明細にはキャッシングの利用額も載るので、そういったことで借金をしていることがバレてしまうこともあるようです
まずはどういった原因で家族に借金がばれてしまうのかについて。
貸金業者からの電話
問題なく返済をしている分には、当然ですが貸金業者も電話はしてきません。
しかし返済が滞ってしまえば督促の電話が来ますので、そこで家族にばれる可能性が高くなります。
貸金業者からの郵送書類
上記貸金業者からの電話の場合と同様に、返済を滞納すると督促の書類が届きます。
最悪の場合は貸金業者から訴えられて、裁判所からの書類が自宅に届きます。
既に督促が来ている場合の対処法
支払いが厳しいのであれば早めに債務整理を検討するべきです。
滞納をしていて頻繁に督促等が来ている状態でも、債務整理をすることで本人への督促を止めることができます。
現状返済ができていなくて頻繁に督促がきているのであれば、弁護士や司法書士の専門家に債務整理を依頼することで督促を止めることができます。
債務整理を専門家に依頼すると、専門家は「受任通知」を貸金業者へ送付します。
- 督促を止めること
- 本人への連絡をしないこと
上記が記載されているので専門家に債務整理を依頼すると、本人への電話や業者からの書類が届かなくなります。
※クレジットカードの利用明細は貸金業者側の処理が間に合わずに届いてしまうこともあります。
債務整理をしたことが家族や会社にばれる理由
任意整理では家族に秘密のままで手続きが行える可能性が高いです。
しかし、債務整理をするとブラックリストに登録されるため、クレジットカードが作れなかった、カードが解約になった、ローンを組めなかったりすることで家族に知られてしまう可能性はあります。
債務整理をしたことが家族や会社に知られてしまう可能性がある原因を以下に挙げていきます。
専門家からの電話や郵送物
弁護士や司法書士からの電話や郵送物で、債務整理をしていることがばれることは考えられますが、通常であれば専門家の側から下記を確認した上で依頼を受けるので、このケースで家族にばれてしまうことはほぼありません。
念のため債務整理の相談時に以下の点を伝えておきましょう。
- 家族に秘密にしていること
- 連絡方法(電話をしてほしくない時間帯や、事務所名を名乗らないでもらいたい、電話ではなくメールで連絡がほしい等)
- 郵送方法(事務所名を伏せて個人名での差出しや、郵便局留め、事務所に行って直接受け取る等)
ブラックリストの影響
債務整理をするとブラックリストに載りるので、借入をするとかローンを組むのは難しくなります。
ショッピングだけで使用しているようなクレジットカードでも解約になってしまう可能性があります。
ローンを組めなくなったとか、カードが利用できなくなったことにより家族にばれる可能性があります。
カードで買い物した分の支払いをうっかりして忘れていたので、その影響かも知れない等の理由でごまかしている人も多いです。
貸金業者からの裁判
専門家に債務整理を依頼することで本人への督促は禁止されますが、貸金業者から本人を相手どって裁判を起こすことは可能です。
貸金業者から裁判を起こされると、自宅に裁判所から書類が届きますので、家族に知られてしまう可能性は高いでしょう。
支払いの滞納が長期間続いている場合には貸金業者から訴えてくる可能性があります。
特に長期の滞納をしていない場合にも、債務整理を開始すると訴えてくる貸金業者もいます。
保証人への請求
保証人をたてて借り入れをした貸金業者を債務整理の対象にすると、貸金業者から保証人に「支払ってください」と督促をされます。
そのため、家族が保証人になっている場合に、その借金を債務整理すると債務整理をしたことが家族に知られてしまうことになります。
弁護士や司法書士が手続きに介入した後は貸金業者から本人への連絡は禁止されますが、貸金業者から保証人へ連絡をすることは可能です。
会社から借金がある場合
会社から借りている場合に会社からの借金も債務整理の対象にすれば、会社に債務整理をしたことを知られます。
自己破産と個人再生ではすべての借入先が対象になり、会社からの借金がある場合は必ず会社も債務整理の対象になりますので、会社に秘密にしておくことはできません。
個人再生と自己破産の書類収集
個人再生や自己破産の場合、同居の家族の収入証明書や非課税証明書等、家族の協力がなければ集めるのが困難な書類の提出を求められることがあります。
また、会社に対しては退職金がある会社にお勤めの場合には退職金見込額証明が必要になり、退職金がない会社の場合には退職金がないことの証明が必要になります。
個人再生と自己破産での官報広告
自己破産や個人再生を行ったことが「官報」に記載されます。官報を見ている会社にお勤めの場合には会社に知られる可能性はあります。
自己破産での財産処分
自己破産では売却価格20万円以上の財産(自動車や不動産等)は処分されます。
自動車や不動産を失うことになれば家族に内緒にするのは難しいでしょう。
家族や会社に知られずに債務整理を行う方法
家族に秘密で債務整理をしたいなら任意整理がおすすめです。
自己破産と個人再生では同居家族の収入証明等が必要になることがあり、自己破産では財産の処分があるのに対して、任意整理では収入証明等が不要だし財産の処分もありません。
ただ、任意整理は個人再生のように借金が減額されるわけではなく、自己破産のように借金を支払う必要が無くなるものでもありません。
借金が膨れ上がってしまうと任意整理では解決ができなくなる可能性が高くなるので、支払いが難しくなってきたら早めに相談をすることが必要です。
家族や会社に秘密のまま債務整理を行うにはどの債務整理を選ぶべきなのか?
個人再生と自己破産
- 同居の家族の収入関係の書類が必要になる可能性がある
- 退職金見込額証明書又は退職金がないことの証明が必要になる
- 官報に掲載される
- 財産の処分がある※自己破産のみ
自己破産と個人再生では同居の家族の収入証明書等を提出することになる可能性がありますし、自己破産では財産の処分でばれてしまう可能性があります。
しかし、同居の家族の収入証明書は給料明細や源泉徴収、家計簿を自分一人で用意できるのであれば秘密裏に手続きができる可能性がありますし、そもそも同居家族の収入関係書類の提出を求められない場合もあります。
退職金見込額証明書も就業規則に算定方法が記載されていれば自分で計算したものでも足りますし、退職金がないことの証明も就業規則に退職金がないと書いてあれば大丈夫な可能性もあります。
しかし個人再生と自己破産ではすべての借入を対象にして手続きをしなくてはなりませんので、会社からお金を借りている場合は必ず会社に債務整理をしたことが知られますし、家族が保証人になっていれば家族に必ずばれます。
任意整理がおすすめ
任意整理ならほとんどの場合で、家族や会社に内緒のまま任意整理を行うことができるでしょう。
自己破産と個人再生では同居の家族の収入証明書等の提出が必要になる可能性がありますが、任意整理ではそのような書類を求められることはありません。
また、任意整理では官報にも乗りませんし財産の処分もありませんので、個人再生や自己破産と比べ家族や会社にばれる可能性は低いです。
会社からお金を借りている場合や家族が保証人になっている場合も、任意整理では必ずしもすべての債権者を対象にしなければいけないというわけではありません。
会社や保証人がついている借金を債務整理の対象から外すことも理論上可能です。
しかし、全ての借金を任意整理しなければ生活の再建ができない場合には、一部の借金を任意整理の対象から外すべきではないです。
まとめ
自己破産や個人再生も、家族に知られることなく手続きをすることができる場合もありますが、家族に秘密で債務整理を行うのなら任意整理が1番家族にばれるリスクは少ないでしょう。
しかし任意整理では借金の減額はありませんので、任意整理をしても毎月の返済ができないようであれば、やはり自己破産や個人再生を検討することになります。
ここまで家族に秘密にしたまま債務整理を行う方法を解説しましたが、ずっと秘密にして返済をしていくのは大変なことです。
家族に打ち明けて協力を得られるのであれば、それがいいとは思うので、状況によっては家族に打ち明けることを検討してみてもいいでしょう。