- 債務整理の手続き中に転職をするのは問題ないか
- 債務整理をすると転職活動に影響はでるのか
転職をすれば収入が変わってくることもあるため、債務整理中に転職をする場合は問題になることがあります。
任意整理手続中の転職
任意整理の手続きを行っていても転職が制限されることはありません。
ただし弁護士や司法書士は収入と支出を計算して、返済ができる金額を割り出して任意整理の交渉を行っているので、転職をする場合は必ず依頼している弁護士や司法書士へ報告することが必要になります。
もし転職によって収入が大幅に下がってしまい、任意整理では支払っていけそうにないとなると他の債務整理を検討することになります。
任意整理中だからといって転職ができなくなることはないので、任意整理中でも転職を行うことができます。
しかし任意整理は任意整理後に借金の元金のみを36~60回分割で支払う手続きです。
そのため、弁護士や司法書士は現在の収入をもとに任意整理後にこれくらいの金額なら支払っていけるということで貸金業者と交渉を行っています。
転職によって収入が変われば専門家の交渉内容も変わってきますし、収入が減り任意整理では支払いができそうにない場合は個人再生や自己破産も検討しなければいけないので、転職をする場合は事前に専門家へ報告をする必要があります。
自己破産手続き中の転職
自己破産の手続き中でも転職ができなくなるということはありません。
ただし自己破産の場合は資格制限があるため、破産手続開始決定から免責までの数か月間は一定の職業には就けないので注意が必要です。
自己破産の手続きを行っていても転職をすることはできます。
ただし自己破産には資格制限というものがあり、生命保険の募集員、警備員、宅建士等の一定の職業に就くことができなくなります。
資格制限がされる期間は破産手続開始決定~免責までの間ですので同時廃止事件で2~4ヵ月、管財事件の場合は6~12ヵ月ほどの期間、制限されることになります。
資格制限と関係のない職業の場合は一切制限されることはありません。
個人再生手続中の転職
個人再生の申し立ての手続き中でも転職をすることはできますが、個人再生では安定した収入を得る見込みがあることが条件のため、転職することで安定した収入を得る見込みがないと判断されれば個人再生はできなくなります。
個人再生では自己破産とは異なり職業の制限はありません。
そのため転職をすることも可能ですが、個人再生は継続的な、又は反復した収入があることが条件のため、条件に該当しないと裁判所が判断すれば個人再生は認められません。
個人再生が認められ、返済を行っている状況の場合も転職をすることはできますが、前職よりも給料が下がってしまい返済ができなくなれば個人再生は取り消されます。
個人再生が取り消されると減額がなかったことになります。
そのため、転職により以前よりも安定した収入が増えるならいいですが、減る場合は注意が必要です。
債務整理後の転職
債務整理をしたことを申告する必要はないので、債務整理が転職に影響がでるようなことは基本的にはありません。
何かあるとしたら個人再生と自己破産の場合は官報に載るので、官報を見ているような会社だと債務整理をしたことがバレてしまう可能性はあります。
一部の会社は会社指定のクレジットカードを作る必要があったりしますが、債務整理を行うとクレジットカードの作成が難しいため、クレジットカードが作成できない点で不審に思われる可能性があります。
債務整理をした後に転職をする場合に、債務整理をしたことが転職に影響を与えるようなことは基本的にありません。
自己破産と個人再生の場合は官報に掲載されるので、債務整理を行ったことを知るきっかけになるのは官報を見られた場合ぐらいですが、官報を見ている会社というのはほとんどありません。
任意整理では官報に載ることもありません。
ブラックリストの関係
債務整理を行うと信用情報に事故情報が載る=ブラックリスト登録されることになりますが、信用情報は借金をしたりローンを組んだりする際の審査にあたって閲覧するものであり、採用の際に信用情報を確認されることもありません。
そのため債務整理をしたことが転職先に知られる可能性は非常に低いです。
しかし、中には会社指定のクレジットカードを発行される会社もありますが、ブラックリストに登録されている人はクレジットカードの審査にとおらない可能性が高いです。
クレジットカードの審査に落ちるということは何かあるのかな?と考えられてしまう可能性はあります。
あまりないことではありますが、このように債務整理をした後の転職に影響がある場合もあります。