- 任意整理をしたけど、その支払いができなくなってしまったら
- 任意整理をする業者を追加することはできるのか
過去に債務整理をしたけど、また借金が膨らんでしまって支払いができなくなってしまった・・・
仕事や家族、体調等の関係で予想しないことが起きればそのようなことになる可能性はあります。
そのような場合は、2回目の債務整理を検討するべきです。
また、過去に任意整理をした際に少額しか借り入れがなかった会社であったり、申告するのを忘れていたりして、一部の会社を任意整理の対象から除外していることがあります。
後々になってその会社の支払いも厳しくなってきたときは、任意整理をしなかった会社を追加で任意整理することも可能です。
任意整理後に返済ができなくなった場合
分割回数を増やすことで支払いができそうなら2回目の任意整理をすることもできます。
ただし、2回目の任意整理ができないこともありますし、個人再生や自己破産をする方が返済は楽になるはずなので、個人再生や自己破産を検討することも必要です。
任意整理後に支払いができなくなってしまった場合、再度の任意整理をするか個人再生や自己破産を行うことを検討する必要があります。
2回目の任意整理
任意整理は利息をなくして元金だけを分割で返済を行う手続きです。
2度目の任意整理というのは、既に利息はなくなった借金の分割回数を増やすことで毎月の返済額を減らす手続きです。
しかし任意整理は貸金業者との任意の交渉によって行うので、貸金業者が交渉に応じなければ任意整理をすることはできません。
2回目の任意整理は1回目の任意整理と比べて貸金業者との交渉は難しくなります。
相手方の貸金業者によっては2回目の任意整理には応じないこともあるので2回目の任意整理ができるかどうかは、相手方の貸金業者によるところが大きいです。
任意整理後に個人再生をする場合
個人再生は借金を減額してもらい、減額後の借金を原則3年(36回)の分割払いで返済を行う手続きです。
任意整理したからといって個人再生の申し立てができなくなるということはないので、問題なく個人再生を申し立てることが可能です。
しかし、個人再生は任意整理と異なり手続きする業者を選ぶことはできず、すべての債権者が対象になるので注意が必要です。
例えば保証人がついている借金を任意整理の対象から外していたとしても個人再生では保証人がついている借金も個人再生の対象にしなければならないので、保証人に迷惑がかかることは避けられません。
- 1500万円未満の借金=借金額の5分の1(減額後の金額が100万円未満の場合は100万円)
- 1500万円以上3000万円未満の借金=300万円
- 3000万円以上5000万円未満の借金=借金額の10分の1
上記の減額した金額と、自己破産をした場合に財産を売却した金額(清算価値)を比べて、高いほうの金額を原則3年(36回)、最大5年(60回)で分割で支払う手続きです。
任意整理をした後の自己破産
自己破産は借金の返済義務を免除してもらい、借金をなくしてもらう手続きです。
任意整理後に支払いができなくなった場合、後から自己破産を申し立てることも可能です。
任意整理をしたけど、事情によって返済ができなくなったとか、最初から無理な任意整理を組んでやっぱり返済ができなくなったという場合に、後で自己破産を申し立てることがあります。
注意点としては、個人再生と同様に自己破産はすべての債権者を対象にしなければならないので、任意整理の対象にしていない借入先があった場合、自己破産ではその借入先も対象にしなければなりません。
個人再生後に返済ができなくなった場合
やむを得ない事情があるなら裁判所で支払期間の延長が認められることがあります。
延長が認められない場合や、延長しても支払いができないのであれば自己破産をする必要があります。
個人再生は裁判所に認可してもらうことで、借金を減額して分割で返済していく手続きです。
個人再生後の任意整理
個人再生後に支払いを滞納していると、個人再生計画が取り消されてしまい減額前の金額に戻ることになります。
減額をしても返済ができなかった以上、減額前の金額を任意整理をして利息を免除してもらっても返済はできないでしょうから、個人再生が取り消された借金を任意整理しても解決することはできません。
個人再生で減額された借金の支払いがやむを得ない事情で厳しくなった場合は、再生計画の変更申し立てをして支払期間の延長をしてもらうか、自己破産を検討すべきです。
2回目の個人再生
個人再生後に支払いが難しくなっても、再度個人再生をして更に借金を減額してもらうことはできません。
個人再生した借金の返済が難しくなった場合は、再生計画の変更をして返済期間の延長をしてもらうかハードシップ免責を検討すべきです。
しかし再生計画の変更やハードシップ免責は厳格な条件があるので、そちらを利用できない場合には自己破産を検討すべきでしょう。
個人再生後の自己破産
個人再生の返済中に事情があり返済ができなくなった場合に、自己破産を申し立てることは可能です。
しかし、個人再生が給与所得者再生の場合は認可決定から7年以内の自己破産申し立ては免責不許可事由に該当します。
※小規模個人再生を選択した場合は、7年間はできないという制限はありません。
免責不許可事由に該当する場合は原則免責は認められませんが、事情によっては裁量免責が認められる可能性はあるので詳しくは弁護士や司法書士に相談をするべきです。
自己破産をした後に再度借り入れをした場合
個人再生の場合、給与所得者再生の場合は前回の自己破産から7年間が経過していないとできません。
2度目の自己破産も、前回の自己破産から7年間が経過していないと免責不許可事由に該当します。
小規模個人再生や任意整理なら自己破産後何年間はできないという制限はありません。
自己破産をして借金をなくしてもらった後、再度借り入れをして返済が難しくなった場合、その借金を債務整理することができます。
自己破産後の任意整理
自己破産で借金をなくした後に、また作ってしまった借金を任意整理することはできます。
自己破産した後の個人再生の申し立て
自己破産後に、また借金をしてしまって個人再生を申し立てる場合、小規模個人再生であれば問題なく申し立ては可能です。
給与所得者再生を申し立てる場合は、自己破産から7年以内の申し立てはできません。
自己破産後にまた自己破産をする
一度自己破産をして借金を帳消しにしてもらったのに、また借り入れをして返済ができなくなってしまった場合、自己破産をすることは可能なのか?
最初の自己破産後、7年以内の自己破産申し立ては免責不許可事由に該当しますので、原則免責は認められません。
しかし、事情によっては裁量免責が認められる可能性はあります。
また、最初の自己破産から7年以上経っている場合は免責不許可事由には該当しませんが、さすがに2度目の自己破産となると裁判所の審査は厳しいものになるでしょう。
任意整理する貸金業者の追加
以前任意整理をしなかった貸金業者を追加で任意整理することはできます。
任意整理をしたとしても支払っていくことができそうにない場合は、追加での任意整理はできないので現在任意整理をして支払い中の会社も含めて個人再生か自己破産を検討することになります。
過去に任意整理をしたけど一部の会社を任意整理しなかったという場合に、その任意整理しなかった会社を後々になって追加で任意整理を行うことは可能です。
追加での任意整理を断られることもある
任意整理は利息をカットしてもらい、元金だけを分割で支払って支払っていく手続きのため、毎月一定金額を長期間に渡って支払っていく必要があります。
その金額を支払えないとなると任意整理はできないので、そうなると個人再生か自己破産を検討することになります。
個人再生や自己破産はすべての債権者が対象になり、任意整理のように一部の債権者を除外することはできません。
個人再生か自己破産を行う場合は任意整理中の会社も個人再生や自己破産の手続きに含まれることになります。
債務整理費用
追加依頼分の費用が再度かかるので、以前行った任意整理の費用とは別に個人再生や自己破産の費用も必要になります。
最初の相談の時点で申告漏れ等なく、最初から個人再生や自己破産を行っていたなら任意整理の費用をかける必要がなかったということになりますし、
最初の任意整理後に他の借金が膨れ上がってしまったという場合には、最初の時点で申告していれば自己破産や個人再生ではなく任意整理で解決できていたかもしれないので、相談の際は必ずすべての借入先を申告するようにしましょう。
2回目の債務整理と任意整理追加のまとめ
債務整理をしても、家族や仕事の環境が変われば、返済が厳しくなってしまうのはしょうがないことです。
2回以上債務整理をしている人もいらっしゃいますが、債務整理の方法によっては2回目の債務整理は難しい場合もあります。
しかし、2回目の債務整理が可能かどうかは、結局のところは借入した理由や返済ができなくなった事情によるところが大きいので、まずは専門家へ相談してみましょう。
また、任意整理の相談時に申告するのを忘れてしまった会社や、少額のため任意整理を行わなった会社がある場合に、そういった会社の支払いが難しくなってきたときは追加で任意整理を行うことはできます。
追加で任意整理をしても問題なく支払いができそうなのであれば全く問題ありませんが、任意整理での支払いが難しい場合は個人再生か自己破産を検討する必要があります。
そうなると最初の任意整理の分と後の自己破産や個人再生の費用を2重に支払うことになってしまいますし、何度も相談に行くのは依頼をする人にとっても手間になると思います。
後から借金が増えてしまったという場合は、最初にキチンと申告していれば自己破産や個人再生ではなく任意整理で解決できた可能性もあるので、債務整理の相談時には申告を忘れたりしないようにして、少額で手続きから除外したところからは借りないようにすべきです。