- 任意整理をすると退職金に影響はでるのか?
- 個人再生や自己破産での退職金への影響は?
任意整理と退職金の関係
自己破産や個人再生とは違って任意整理では退職金に影響がでることはありません。
任意整理では個人再生や自己破産のように、将来もらえる退職金を資産として扱うようなことはありません。
そのため将来的な退職金がいくらの金額であっても、任意整理に影響を与えることはありません。
ちなみに数か月後ぐらいの近い将来で退職金を貰えるのであれば、その時点で一括返済をするという任意整理の交渉を行うことができる可能性があります。
自己破産の退職金への影響
すでに退職金を受け取っているなら、金額に応じて処分されることになります。
将来的な退職金の見込額の8分の1の金額が20万円を超える場合はその金額が資産として扱われるので、その分の金額を支払わなければならなくなります。
すでに退職予定で退職金をもらえる可能性が高い場合は、見込額の8分の1ではなく4分の1の金額が20万円を超えた場合は資産として扱われることになります。
自己破産では退職金は資産として扱われるので、その資産分は支払いをしなければなりません。
既に退職金を受け取っている場合
通常どおり資産として扱わるので預貯金なら20万、現金なら99万円を超える金額は処分されます。
まだ退職金を受け取っていない場合
退職金の見込み額の8分の1の金額が資産として扱われますが、東京地裁等多くの裁判所では8分の1の金額が20万円を超える場合だけ資産として扱うことにしています。
8分の1が20万円を超えた場合なので、退職金が160万円以下であれば資産として扱われることはありません。
資産として扱われる分は自由財産から支払ったり、積立金をして支払う必要があります。
※20万円未満でも資産として扱う裁判所もあるため、詳しくは依頼をする弁護士や司法書士に確認をする必要があります。
退職金を受け取る見込みが近い時
退職予定だったり既に退職したがまだ退職金を受け取っていないような退職金を受け取る可能性が高い場合は、退職金見込額の「4分の1」が資産として扱われます。
多くの裁判所は4分の1の金額が20万円を超える場合だけ資産として扱うことにしています。
退職金が80万円以下であれば資産として扱われることはありません。
個人再生の退職金への影響
個人再生では清算価値保証の原則があり、個人再生をした減額後の金額と資産とを比較して多いほうの金額を分割で支払う必要があります。
退職金の8分の1又は4分の1の金額が資産として扱われます。
個人再生は借金を減額して減額後の金額を分割で支払っていく手続きですが、個人再生には清算価値保証の原則というものがあり、減額後の金額と持っている資産とを比べて高いほうの金額を支払う必要があります。
そのため資産が多い場合は個人再生をするメリットがなくなる場合もあります。
既に退職金を受け取っている場合
資産として扱われるため、減額後の金額と資産を比較して多いほうの金額を分割で返済することになる。
まだ退職金を受け取っていない場合
自己破産と同様に東京地裁等多くの裁判所では退職金の見込み額の8分の1の金額が20万円を超える場合は8分の1の金額が資産として扱われます。
8分の1が20万円を超えた場合なので、退職金が160万円以下であれば資産として扱われることはありません。
減額後の金額よりも退職金の8分の1の金額が多い場合は、退職金の8分の1の金額を分割で支払うことになります。
退職金を受け取る見込みが近い時
これも自己破産と同じですが、退職間近である等、退職金を受け取る可能性が高い場合は、退職金見込額の4分の1が20万円を超える場合は資産として扱われます。
退職金が80万円以下であれば資産として扱われることはありません。
任意整理で退職金に影響がでるのか?まとめ
任意整理以外の務整理手続きである自己破産や個人再生では将来貰える退職金の8分の1又は4分の1の金額が資産として扱われるので、自己破産ではその分の支払いが必要だったり、個人再生では支払う金額が多くなったりする可能性があります。
任意整理では退職金に影響がでることはありませんし、将来期に退職金がもらえるからということで任意整理に影響がでることも基本的にはありません。