任意整理と過払い金請求の違い【任意整理後の過払い金も解説】

  • 過払い金請求と任意整理の違い
  • 任意整理した後も過払い金は発生する?

過払い金請求と任意整理は異なる手続きです。

過払い金請求は払い過ぎたお金を返還してもらう手続きで、任意整理は返済が難しい時に利息をなくし分割で支払う手続きです。

また、任意整理をするとブラックリストに載りますが、過払い金請求ではブラックリストに載ることはありません。

ただ、取引が長い人の中には、任意整理をしようと依頼をしたら任意整理ではなく過払い金請求になることもあります。

今回は過払い金請求と任意整理の違いと、任意整理を行って完済した後に過払い金が発生するのかを解説します。

目次

過払い金請求と任意整理の違い

過払い金請求と任意整理の違いを教えてください

過払い金請求は払い過ぎた利息を返してもらう手続きで、任意整理は利息をなくして借金の支払いを楽にする債務整理という手続きなので別の手続きです。

ただし、任意整理を依頼した人の中には過去に高い利息で取引を行っていて、引き直し計算を行ったら借金が全てなくなって過払い金が発生していたということもあります。

過払い金と任意整理の違い
  • 過払い金請求は払い過ぎた利息を返還してもらう手続きなので債務整理ではない
  • 任意整理は返済が難しい人が利息をなくして返済を楽にする債務整理手続きの1つ

過払い金とは

過払い金は以下の利息を超えて支払っていた場合にのみ発生します。

利息制限法の金利の上限
10万円未満の借入20%まで
10万円以上~100万円未満の借入18%まで
100万円以上の借入15%まで

多くの会社が2007年の途中で過払い金が発生しない利息に引き下げを行っています。

2007年以前から借入をしている人は過払い金が発生する可能性が高く、2008年以降に借り始めた人は過払い金が発生する可能性は低いです。

過払い金の対象になるのは消費者金融からの借入とクレジットカードのキャッシングだけです。

取引が長くても、銀行からの借入やショッピングでは過払い金は発生しません。

過払い金発生の条件

任意整理とは

任意整理は借金の支払いが厳しくなった時に利息を0%にしてもらい、元金だけを分割で支払っていく手続きです。

任意整理では信用情報に事故情報が載り、いわゆるブラックリストに登録されることになります。

過払い金請求と任意整理は異なる手続きですが、任意整理を検討していた人に過払い金が発生していることもあります

任意整理のメリット

任意整理が過払い金請求になる原因

任意整理をしようとしていたのに過払い金請求になるのはどのような場合ですか?

借金が残っていても、過去に法律の制限を超える利息で取引を行っていた人は過払い金が発生する可能性があります。

この場合は任意整理ではなく過払い金請求の手続きになります。

過去に法律の制限を超える利息で取引を行っていたら、任意整理を希望の人でも必ず引き直し計算を行います。

この引き直し計算の結果によって、任意整理になるのか、過払い金請求になるのかの結論が異なります。

引き直し計算の結果⇒借金がなくなった

引き直し計算の結果、借金が0円になり、さらに払い過ぎているものがあればそれが過払い金になります。

手続きも任意整理ではなく過払い金請求になります。

借金が50万円あったが、計算をしたら50万円の借金がなくなり30万円払い過ぎていたら、任意整理ではなく30万円の過払い金請求になる。

引き直し計算の結果⇒借金が残る場合

引き直し計算の結果、借金が減額されたが0円にはならなかったというケースでは、減額後の借金のみを任意整理することになります。

借金が50万円あったが計算をしたら20万円まで減ったら、20万円を任意整理して分割で支払っていくことになる。

50万円の借入がある場合
借金が30万円まで減額されたケース

引き直し計算の結果、借金が20万円まで減ったら⇒

減額後の20万円を任意整理して、利息をカットして元金だけを分割で返済することになる。

過払い金が30万円発生したケース

引き直し計算の結果、50万円の借金が全てなくなって過払い金が30万円発生したら⇒

任意整理ではなく30万円の過払い金請求になる。

滞納中の借金に過払い金が発生していた場合

任意整理で完済した後でも過払い金は発生するのか

任意整理をして完済した後に過払い金が発生することはありますか?

通常は任意整理をする時点で過払い金があるかどうかは考慮されているので、任意整理後に完済しても過払い金が発生することはありません。

任意整理をする際に過去に法律の制限を超える利息での取引があれば、計算を行い借金の減額や過払い金が発生していないかを調べます。

そのため、任意整理後に完済したとしても、過払い金が発生することはありません。

本人で貸金業者と交渉したものは発生する可能性あり

弁護士や司法書士に依頼せず、本人と貸金業者との話し合いで利息を下げていたり、利息を0%にしている人もいます。

このケースでは引き直し計算を行わずにそのままの残金を支払っていることがあり、完済後に過払い金が発生することがあります。

ただし、和解をしていると過払い金についても和解時に解決済で返還をする必要はないと主張されて回収ができなくなる可能性があります。

和解契約の錯誤無効を主張して、過払い金が回収できる可能性もありますが、絶対に主張が認められるとは限りません。

まとめ

任意整理は利息を0%にしてもらい元金だけを分割で支払う、借金の支払いを楽にする手続きです。

過払い金請求は過去に法律の制限を超える利息で取引をしていた際に、払い過ぎた利息を返してもらう手続きです。

このように任意整理と過払い金請求は異なる手続きです。

しかし、任意整理をしようとしていたのに、計算を行ったら過払い金が発生していて過払い金請求の手続きになることもあります。

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