支払いが難しくなってきたので、債務整理の相談をしたいけど弁護士や司法書士に相談というのはしづらい・・・という人は多い思います。
確かに債務整理手続きは気軽に行うものではありませんが、お金の問題で悩んでいるのなら早めに相談をすべきです。
任意整理を依頼する方法~電話相談
弁護士や司法書士に任意整理を依頼するのって具体的にどういうふうにすればいいんですか?
まずは専門家の事務所に電話することからだね。
事務所によってはメール相談なんかもあったりするよ。
まずは電話かメールなんですね!なんだか緊張しますね・・・
電話では何を聞かれるんですか?
債務整理について相談したい!と言えば相手側から色々と質問してくると思うからあまり緊張せずに電話してみても大丈夫。
ちなみに電話では借りている会社名と、借入額、毎月の返済額、何年ぐらい取引しているかは聞かれると思うよ。
取引期間は正確でなくてもある程度の年数がわかれば大丈夫。
電話相談の後は事務所で面談をするっていう流れになるよ。
弁護士、司法書士に任意整理を依頼する方法としては、まず相談の電話をしてから、後で事務所で弁護士や司法書士との直接の面談をすることになります。
債務整理を行っている事務所の多くは相談料は無料にしていますので電話相談は気軽にしてみましょう。
電話相談
現在の借り入れ状況を確認されます。
最低でも現在借りている業者すべて(ショッピング利用や銀行も含みます)、それぞれの借入額、毎月の返済額や借り入れ年数を聞かれます。
おおよその状況がわかればいいのですべて正確に把握しておく必要はありません。
任意整理できそうかどうかは電話相談の段階でほぼわかりますので、問題がなければそのまま面談の予約をすることになります。
弁護士、司法書士との面談
ちなみに面談では何を聞かれるんですか?
電話と同じような内容をもう少し詳しく聞かれることになるよ。
任意整理しても支払っていけそうにない場合は他の債務整理も検討しないといけないから、収入や家賃、家族構成なんかも聞かれるよ。
結構聞かれるんですね。
持ち物は何が必要になるんですか?
最低限必要な物は身分証と認め印だね。
専門家は本人確認義務があるから身分証が必要になるし、依頼する場合は委任契約書を交わすから認め印が必要になるんだ。
後は貸金業者との契約書や支払い明細等もあるなら持って行ったほうがいいよ。
弁護士、司法書士は現在の負債状況を把握しなければならないので、面談当日も電話相談時と同じような質問をされます。
最終的には取引履歴を取り寄せて債務調査を行うことになるので面談の時点では完全に正確な内容までは求められませんが、明細等の資料があればもって行きましょう。
借りている業者名と借り入れ年数がわかれば過払い金があるとか、引き直し計算で借金が減額されるとか、過払い金が発生しているということは大体わかります。
委任契約の内容や今後の手続き、費用を確認して問題なければ契約書を交わします。印鑑は基本的には認め印で大丈夫です。
面談時間は1時間程度です。
面談時に用意していくもの
面談時には本人確認が必要になるので免許証や保険証の提示が必要になります。
身分証の住所と借入業者への登録の住所が異なる場合は、業者へ登録している住所も申告できるようにしておきましょう。
・印鑑(認め印)
・返済の明細や業者との契約書(なくても可)
任意整理依頼後の手続き
面談して無事任意整理を依頼した後の手続きは全部お任せみたいですけど、僕は何もしなくていいんですか?
任意整理を依頼した後は専門家が代理人として行ってくれるから基本的にはお任せだよ。
依頼者がすることと言えば任意整理を依頼した会社の返済を止めることと、積立金を専門家の事務所に振り込むことぐらいだね。
任意整理を頼んだ後は返済をしなくてもいいんですね!
依頼後は利息のカットや残金を分割で支払っていく等の交渉をするから、金額を確定させるためにも支払いを止める必要があるんだ。
だから返済を止めても貸金業者から督促がきたりすることはないよ。
ちなみに積立金ってなんですか?
積立金は3~6ヵ月ぐらいの間、依頼をした専門家へ振り込むものなんだけだ。
積立金は専門家の費用の分割払いのためと、任意整理後にきちんと毎月返済していけるのかを確認するためにも必要なんだ。
そうなんですね!
手続き自体はどのように進んでいくんですか?
まずは貸金業者から取引履歴というものを取り寄せて、その取引履歴を元に債務額の確認や過払い金がありそうなら引き直し計算をしたりして債務調査をするんだ。
全部の会社の債務調査が終わったら各会社に対して利息をなくしてもらうことと、分割回数、毎月の返済額の交渉をして交渉がまとまれば和解をすることになるよ。
そのあとは和解した内容のとおりに返済をしていけばいいんですね!
分割回数はどのぐらいになるんですか?
任意整理の手続きは半年ぐらいで終わって、分割回数は3~5年ぐらいになることが多いよ。
無事面談を終えて任意整理を依頼した後にあなたがすることは、
・積立金をする
の2点です。後は専門家からの連絡を待つだけですが、ここでは依頼後に専門家が行う手続きの流れについても書いていきます。
受任通知送付
依頼を受けたら弁護士、司法書士は依頼を受けたそれぞれの業者に対して受任通知を送付します。
・取引履歴を送付すること
・本人への連絡はしないこと
受任通知には上記が記載されているので受任通知送付後は返済を止めても業者からの連絡は来ません。
むしろ返済を止めないといつまでも債務額が確定しないため、必ず返済を止めるようにしてください。
しかし、クレジットカードの請求書はシステム上すぐには止められなくて自宅に届く可能性があります。
積立金
弁護士、司法書士へ依頼後は返済を止めている間に積立金を行います。
積立金をする理由としてはこれから利息をなくし、元金を3年~5年ほどの期間で業者へ分割で返済していくことになりますが、任意整理後に毎月きちんと返済できるかどうかの確認の意味と、弁護士や司法書士報酬の分割払いの意味合いがあります。
積立金ができなくなってしまった場合は、任意整理をしたとしても将来的に支払っていくことができないと判断され、自己破産や個人再生の他の債務整理手続きに移行するか、任意整理の手続きをキャンセルするかということになります。
収入に対して返済額がギリギリの金額で任意整理を行おうとするとこのようなことになりますので、任意整理の内容はなるべく余裕をもって返済をしていけるように設定しなければなりません。
和解内容の確認
受任通知送付から数か月で引き直し計算等の債務調査が終わり債務額が確定します。
債務額が確定した後は弁護士・司法書士は将来の利息をなくしてもらうことと、分割回数、支払い開始日についての交渉を行っていきます。
債務額確定までの期間は業者からの取引履歴が届く時間によります。2週間で届く業者もあれば3か月かかる業者もあります。
和解契約
業者との交渉ができたら専門家と業者との間で和解書を交わします。
和解書には以下の内容が記載されています。
・支払い開始日
・分割回数
・振込先
・入金を数回(2回が多い)滞納したら一括返済を求める
任意整理完了
和解書のやり取りが終わったら和解書、領収書、支払い計画書等を依頼者へ送付して手続きは終了します。
※和解書にも同じような内容が記載されていますので、支払い計画書は事務所によっては発行しない事務所もあります。
返済の再開
その後は和解内容のとおりに3~5年ほどの分割回数で返済をしていきます。
任意整理後、カードは解約になるので返済は貸金業者への振り込みで行います。
事務所によっては依頼者が直接貸金業者に振り込むのではなく、一旦専門家の事務所に振り込んで専門家が貸金業者へ振り込む返済代行を行っている事務所もあります。
任意整理の依頼~任意整理の交渉が完了するまでの期間は半年ほどかかります。
その後は3~5年ほどの分割で返済を行っていきます。
まとめ
今回は債務整理手続きの「任意整理」について、専門家へ依頼する流れと手続きにかかる期間を紹介しました。
任意整理を行う場合に依頼者の方が行うことは、
・面談をするため専門家の事務所へ行く
・業者への返済を止める
・積立金をする
・任意整理完了後は和解内容どおりに返済をする
これだけです。面談時に1回だけ弁護士、司法書士事務所へ出向く必要がありますが、その面談も1時間程度で終わります。
業者とのやりとりもすべて専門家が行うので、依頼者の方にとっては面倒になるようなことはありません。
考えているよりも手続きは簡単に終わります。支払いに追われているなら、債務整理を検討することをおすすめします。