三菱UFJニコスは元々は日本信販という会社でした。
DCカードやMUFGカード、ぴあカード等、色々なカードを発行しているので、ニコスで複数のカードを利用している人も多いです。
返済が難しくなったら、債務整理をすることで支払いを楽にすることができますが、任意整理には応じない、任意整理ができない貸金業者もあります。
また、任意整理に応じる会社でも、利息が0%になるかどうかや、分割回数が何回になるのかは相手方の会社ごとに異なります。
今回は利用されている人も多いニコスカードを任意整理した場合に、
- ニコスを任意整理すると返済は楽になるのか?
- 任意整理のデメリットは何があるのか?
- 相談した後の手続きはどうやって進めていくのか?
という点と、ニコスを任意整理するメリットとデメリットを紹介します。
三菱UFJニコスは任意整理できる?
ニコスの返済が難しくなって来たんですけど、ニコスは任意整理をすることはできるんですか?
ニコスは任意整理には協力的な対応をしてくれるよ。
ちなみに、キャッシングと同様にショッピングのリボ払いについても任意整理をすることができるよ!
それは助かります!
ニコスは任意整理すると任意整理後の利息は0%にしてもらえるし、分割回数も36回~60回ぐらい、場合によっては60回以上の分割回数にも応じてくれることがある、良心的な会社さんだよ。
- 任意整理後の利息は0%になる
- 分割回数は36回~60回、内容により60回以上も可能
- 過払い金が発生している可能性あり
※参考:東京司法書士会【債務整理】
任意整理後の利息
ニコスとの取引が1年未満等、極端に短い等でなければ基本的に任意整理後の利息は0%になります。
任意整理後は元金だけを分割で返済していくことになるため、返済した金額の分、借金は減っていきます。
任意整理後の分割回数
任意整理後の分割回数は36回~60回=3年~5年ぐらいが原則ですが、ニコスは事情によりさらに長期の分割払いに応じてくれることもあります。
長期の分割払いに応じてくれるため、毎月の返済額が少なくなる可能性が高いです。
三菱UFJニコスを任意整理するメリット
任意整理をするメリットって、任意整理後の利息はカットしてもらえて元金だけを長期分割で返済できるってことですよね?
そうだよ!
あまりピンと来ないんですけど、それによってどのぐらいのメリットが発生するものなんですか?
借入額や利息、毎月いくら返済していたかにもよるけど、完済までに利息だけで数十万円支払うことになる人が多いんだ。
だから、多くの人は利息がなくなるだけで数十万円以上のメリットが発生することになるね。
利息がなくなれば完済までにかかる期間も短くなるし、長期分割を組むことで毎月の返済額も少なくなったりもするよ。
任意整理前の返済内容
利息17.94%で50万円借りて毎月14,000円返済していくと、完済までに利息の支払いだけで21万円以上必要になり、完済までに4年2ヶ月必要になります。
任意整理をせずに返済する場合 | |
完済までに支払う利息の総額 | 21万円以上 |
完済までの期間 | 4年2ヶ月 |
毎月の返済額 | 14,000円 |
借入額が少なくなってくると、毎月の返済額を下げることができるようになりますが、返済額を少なくすると上記よりも完済までの期間は長くなりますし、完済までに支払う利息の総額もさらに増えることになります。
任意整理をするとどうなる
50万円の借入を任意整理して利息0%、48回の分割払いになった場合
任意整理をした場合 | |
完済までに支払う利息の総額 | 0円 |
完済までの期間 | 4年 |
毎月の返済額 | 約1万円 |
- 完済までの支払う利息の総額 21万円以上⇒0円
- 完済までの期間 4年2ヵ月⇒4年
- 毎月の返済額 14,000円⇒約10,000円
任意整理をして利息を無くすことで完済までに支払う金額が減って、完済までの期間も早くなり、さらに毎月の返済額も少なくなります。
60回の分割払いになった場合は、完済までの期間は5年間に長くなりますが、毎月の返済額は約8,300円まで少なくすることができます。
三菱UFJニコスを任意整理するデメリット
任意整理をするとブラックリストに載るとか、デメリットもあるんですよね?
そうだね。
ブラックリストには載ることになるよ。
ただしブラックリストの影響は最長でも完済から5年間でなくなるよ。
ブラックリストの影響はずっと続く訳ではないんですね!
他にはどんなデメリットがあるんですか?
あとはニコスのカードが解約になることと、任意整理の対象にしていないニコス以外のカードがある場合も、ブラックリストの影響でそのカードも解約になる可能性があるということだね。
後はニコスが保証をしている銀行からの借入があると、その銀行口座が凍結されて預貯金と借入額とで相殺される可能性もあるよ。
ニコスのカードが解約になる
任意整理をした会社のカードは解約になるため、ニコスを任意整理すればニコスのカードはすべて解約になります。
何枚かニコスのカードを持っている場合は、全部のニコスのカードが解約になります。
ブラックリストの影響
任意整理をすると信用情報に事故情報が載りブラックリストに登録されるので、ニコス以外の会社でもお金を借りたりローンを申し込んだりカードを作るのは非常に難しくなります。
ブラックリストの影響を受けて、任意整理の対象にしていないカードも解約になる可能性があります。
ただし、ブラックリストの影響は、最大でも任意整理後完済してから5年間でなくなります。
ブラックリストに載ってもローンを組んだり、クレジットカードでの買い物ができなくなるだけなので、現金やデビットカード、paypayを利用して生活する分にはあまり不便は感じないでしょう。
※参考:CIC【信用情報とは】
ニコスが保証をしている銀行からの借入がある=口座凍結
銀行のカードローンでは保証会社というものがつきます。
銀行や商品ごとに保証会社というのは異なりますが、ニコスが保証を行っている銀行カードローンもあります。
ニコスを任意整理する際に、ニコスが保証をしている銀行からの借入があると保証が実行されて銀行の借入がニコスへ移行します。
その場合は銀行の借金も併せてニコスと交渉を行い任意整理をすることになりますが、ニコスへ借入が移行する際に1ヵ月~3ヵ月ほど銀行口座が凍結されて預貯金と借入額とで相殺されることになります。
※事前に銀行口座からお金を引き出しておけば相殺はされません。
三菱UFJニコスでの借金の減額や過払い金
ニコスって過払い金が発生することもあるんですよね?
ニコスと過去に法律の制限を超える利息で取引をしていたのであれば、引き直し計算をすると借金が減ったり過払い金が発生している可能性があるよ。
法律の制限を超える利息ですか?
当時の利息までは覚えていないです・・・
ニコスは2007年7月1日に法律内の利息に見直しをしているから、2007年6月30日以前からニコスと取引をしていたなら法律の制限を超える利息で取引をしていた可能性が高いね。
ただし、ショッピングのリボ払いでは過払い金は発生しなくて、キャッシング取引しか過払い金は発生しないからね。
過去にニコスと法律の制限を超える利息での取引をしていたのであれば、利息を見直して計算=引き直し計算をすることで借金が減ったり過払い金が発生することがあります。
利息制限法の金利の上限 | |
10万円未満の借入 | 20% |
10万円以上~100万円未満の借入 | 18% |
100万円以上の借入 | 15% |
ただしニコスは2007年7月1日には法律内の利息に見直しをしているので、借金が減ったり過払い金が発生する可能性があるのは2007年6月30日よりも前からニコスと取引をしていた場合に限られます。
また、法律の制限を超える利息での取引はキャンシングだけなので、ショッピングのリボ払いでは何年前からの取引であっても借金が減ったり過払い金が発生することはありません。
引き直し計算の結果、借金が減額された場合は利息をカットして減額後の金額を分割で返済していくことになります。
引き直し計算の結果、借金が全てなくなって過払い金が発生する場合は任意整理ではなく過払い金請求をすることになります。
- 50万円の借金が20万円まで減った場合⇒20万円を任意整理をして、利息をカットしてもらい元金だけを分割で返済することになる。
- 50万円の借金が全てなくなって過払い金が10万円発生してる場合⇒任意整理ではなく10万円の過払い金請求になる。
※借金が全てなくなって過払い金請求になった場合は、ブラックリストに載ることはありません。
三菱UFJニコスの任意整理の流れ
ニコスの任意整理を依頼すると、手続きはどんなふうにすすんでいくんですか?
任意整理を依頼した後はまず専門家はニコスに対して受任通知という書類を送付して、ニコスへの返済を一時的にストップさせるんだ。
依頼者はその間に積立金をする必要があるよ。
ニコスへの返済はストップしてその間に積立金ですね。
積立金は費用の分割払いのためでしたっけ?
そう費用の分割払いのためだね。
あと他にも理由があって、任意整理後は長期に渡って返済をしていくことになるから、毎月返済をしていけるかを確認するという意味も積立金にはあるんだ。
積立金は専門家に対して毎月一定の金額を振り込んで行うよ。
- 受任通知送付
- 積立金
- 引き直し計算
- 分割回数等の交渉
- 返済再開
受任通知送付
任意整理の依頼を受けた専門家はニコスに対して受任通知を送付します。
受任通知送付後から任意整理交渉完了までの間はニコスへの支払いは止めても督促はきません。
積立金
ニコスへの返済を止めている間に依頼者は専門家に対して積立金を行う必要があります。
積立金は専門家の費用の分割払いという意味と、任意整理後に毎月返済を続けていくことができるかを確認する意味合いがあります。
引き直し計算~任意整理交渉
ニコスの取引履歴が届いたら過去の利息を確認して、以前に法律よりも高い利息で取引があったようであれば利息を見直して計算を行って、借金が減額されないか、過払い金が発生していないかを確認します。
引き直し計算の結果、借金が減るようであればその減額後の金額で利息のカットと分割回数の交渉を行います。
返済再開
任意整理の交渉が終わったら、交渉内容どおりに利息をカットしてもらい、元金だけを分割で返済していくことになります。
依頼者が行うこと
- ニコスへの返済を止める
- 積立金をする
- 任意整理の和解成立後は和解内容どおりにニコスへ返済していく
ニコスへ返済を止めている間に、任意整理後に毎月返済していけるかの確認と弁護士や司法書士の費用の分割払いのために、積立金を行う必要があります。
任意整理を依頼してから3か月~6か月程度で任意整理の交渉がまとまりますので、その後は任意整理の内容どおりにニコスへ返済をして完済を目指します。
家族や会社に秘密で手続きできる
個人再生や自己破産と異なって、任意整理は裁判所を通さずに手続きを行うため、同居の家族の収入証明等は不要です。
また、ニコスからご本人様への連絡も来ないですし、弁護士や司法書士からの郵送物も事務所の名前を入れずに送付することもできますし、郵便局留めを利用してご自宅に届かないようにすることも可能です。
そのため、任意整理は家族や会社に知られずに手続きを行うことができます。
三菱UFJニコスの任意整理まとめ
ニコスの借金はキャッシングとショッピングのリボ払いどちらも任意整理をすることができます。
ニコスの借入を任意整理すると任意整理後の利息は0%にしてもらえて、60回以上の長期の分割にも応じてもらえます。
さらにニコスと2007年よりも前からキャッシング取引を行っている場合は借金が減ったり過払い金が発生する可能性があります。
ただし、任意整理を行うとニコスのカードが解約になりますし、ブラックリストに載るため、ニコス以外のカードも利用ができなくなりますし、借金をしたりローンを組む際の審査に通ることはほぼできなくなります。
ブラックリストの影響は任意整理後に完済してから5年間でなくなるので、その後は通常どおりの審査を受けることができるようになります。
ブラックリストに載っている間は借金はせずローンも組まず、現金で生活をして、クレジットカードの代わりにデビットカードを利用することで、あまり不便を感じることなく生活することはできると思います。