過払い金請求をする前に、まずは過払い金があるかないかを知りたいという場合、
- 電話やWEB上での簡易的な診断
- 取引履歴を取り寄せてからの引き直し計算
という2つの方法がありますが、それぞれの良い点と悪い点を解説します。
過払い金があるかどうか簡易的に診断してもらう
過去に借金をしていたんですけど、どうすれば過払い金が発生しているのか確認することができますか?
正確な過払い金を計算するには消費者金融やクレジットカード会社からから取引履歴を取り寄せて引き直し計算というものをする必要があるんだ。
ただ、弁護士とか司法書士の事務所によっては、ネットや電話で業者名と借入年数、借入額を申告すると、過払い金が発生しているかどうか?
どのぐらいの金額が発生しているか?というのを簡易的に診断してくれるところもあるよ。
それなら簡単そうですね!
そうだね。
ただ、あくまでも簡易的な診断だから正確な金額ではないということには注意が必要だよ。
過払い金が発生する条件
過払い金が発生する条件は利息制限法の上限を超えた利息で取引を行っていた場合に限られます。
利息制限法の金利の上限 | |
10万円未満の借入 | 20% |
10万円以上~100万円未満の借入 | 18% |
100万円以上の借入 | 15% |
現在は制限内の利息であっても、過去に違法な利息で取引があったのであれば過払い金の対象となる可能性があります。
ほとんどの業者が2007年前後に利息を見直しているので、2007年以前から取引があった人は過払い金が発生している可能性が高いです。
そのため2008年以降に「新規」で借入れをした人は過払い金が発生しない可能性が高いです。
アプラスやニッセンクレジットサービス、UCS等、一部の業者では2008年以降も過払い金が発生する利息で取引を行っている会社もあります。
簡易的な診断のメリット
本来過払い金の計算には、貸金業者から「取引履歴」というものを取り寄せて、正しい利息に見直す計算=「引き直し計算」を行う必要があり、1~3ヵ月ほどの時間がかかります。
しかし、弁護士や司法書士の事務所によっては電話で聞いたり、WEB上で必要項目(業者名と借り入れ年数、利用額)を入力するとおおよその過払い金の金額を計算してくれる事務所があります。
簡易的な診断のデメリット
過払い金診断はあくまで概算の金額なので、簡易診断の結果と実際の引き直し計算の結果では大幅に金額が異なることがあります。
人によって借り入れの内容は異なりますし、過払い金が発生する条件や過払い金の金額も取引内容で異なります。
診断結果では高額な過払い金がでる!と言われていたから依頼したのに、引き直し計算を行った結果、過払い金はなかった・・・ということもあるので、この点は注意が必要です。
あくまで目安として、利用することをおすすめします。
無料診断のまとめ
簡易的な診断は業者名と借り入れ年数、利用額だけでおおよその金額を知ることができるので、手間もかからず非常に便利です。
簡単な方法でおおよその金額を知ることができるので、まずは過払い金が発生している見込とどのぐらいの金額があるのかを知りたいという場合はまずは診断してみて、過払い金が発生している可能性があるなら、実際に専門家に依頼して過払い金請求するという方法がいいでしょう。
正確に過払い金があるかどうかを確認する方法
過払い金の金額を正確に計算するにはどうするんですか?
引き直し計算というものをする必要があるよ。
引き直し計算をすれば正確な金額をだすことができるんだけど、引き直し計算まで無料で行っている事務所もあるよ。
引き直し計算ですか・・・
それはどのように行うものなんですか?
消費者金融やクレジットカード会社から取引履歴というものを取り寄せて、過去に違法な利息で返済したところを、法律の制限内の利息に直して計算をすることだよ。
例えば過去に利息29.2%で返済していたなら、法律内の18%に直して計算をすると、利息29.2%よりも18%の利息であったほうが早く借金がなくなることになるよね。
同じ金額を返済しても、利息が高いよりも低いほうが元金が減るからですよね?
そのとおり!
例えば利息29.2%で昨年完済したという場合、法律で定められた利息18%であったものとして計算をすると実は5年前に借金がなくなっていたという計算になることがある。
それ以降に支払った、借金がなくなった後に支払ったものが払い過ぎたお金が過払い金になるんだ。
正確な過払い金の金額をだすには引き直し計算というものが必要になります。取引の当初から法律内の利息に直して計算をすると払いすぎた金額=過払い金の金額が算出されます。
過去に法律の制限よりも高い利息で支払っていた場合に、法律で定められている利息に見直して計算をすることを「引き直し計算」と言います。
引き直し計算のメリット
引き直し計算では正確な過払い金の金額を知ることができます。
無料診断のように診断結果より過払い金が少なかったとか、後になってやっぱり過払い金は発生していなかった!ということがありません。
また、空白期間等もすべてわかりますので分断時効等の過払い金請求をした場合に争いになる点も事前に知ることができます。
引き直し計算のデメリット
引き直し計算は簡易的な診断と比べ手間と時間がかかります。
計算自体は数時間もあればできますが、その前提の取引履歴の取り寄せに貸金業者によって1週間~3か月ほどかかるからです。
まとめ
無料診断は電話やWEBの入力だけで簡単に概算がでますが、正確ではありません。
引き直し計算は正確な金額がでますが手間と時間がかかります。
簡易的な無料診断は事務所ごとに診断結果が異なる可能性がありますが、最終的な引き直し計算はどこの事務所で行っても同じ結果になるので、無料診断で大きな金額をだしてくれたからその事務所に依頼するというのは意味がありません。
まずは簡易的な診断を受けて、過払い金がありそうなら正式な依頼をするという方法でもいいですし、正式に専門家へ依頼しても調査の結果過払い金が発生していなければ、費用はかからないという事務所が多いので最初から正式な依頼でも問題ありません。